2024/02/25
昭和初期(1926年 - 1930年代初頭)の庶民の主食は、なんと麦飯!
白米は贅沢品で、普段は麦と混ぜて炊いていました。
麦の割合は地域や家庭によって異なり、4:6から2:8まで様々。
白米を食べられるのは、お正月やお祝い事など特別な日だけでした。
それでも、人々は工夫しながら食卓を彩っていました。
季節の野菜は、今よりも種類が少なく、手に入る時期も限られていました。
しかし、だからこそその旬の味覚を大切に味わっていました。
春には菜の花やたけのこ、夏にはトマトやキュウリ、秋にはきのこやサツマイモ、冬には白菜や大根など、それぞれの季節に旬を迎える食材を使った料理が食卓に並びました。
冬になると、野菜が少なくなるため、漬物や干し野菜などの保存食が活躍しました。
白菜や大根などの漬物は、塩漬けやぬか漬けなど様々な方法で作られました。
干し野菜は、大根や人参、里芋など、日持ちする野菜を干して保存しました。
これらの保存食は、冬の食卓を支える重要な役割を果たしました。
肉類は高価で手に入りにくかったため、魚介類は貴重なタンパク源でした。
沿岸地域では、新鮮な魚介類を手に入れることができ、煮物や焼き物、揚げ物など様々な料理に活用されました。
また、川魚も重要な食材でした。
昭和初期には、食料の加工技術も進歩しました。
例えば、缶詰や瓶詰などの保存技術が発達し、遠隔地や季節を問わず様々な食材を手に入れることができるようになりました。
また、冷蔵庫や電気炊飯器などの家電製品も普及し始め、食生活の改善に貢献しました。
日本の食文化は、地域によって様々な違いがあります。
例えば、北海道では海産物が豊富で、東北地方では米や麦の栽培が盛ん、関東地方では野菜や魚介類、肉類などバランス良く、関西地方では魚介類を使った料理が特徴、中国地方では海産物や山菜、きのこなどが豊富、四国地方では魚介類や柑橘類、瀬戸内海の海苔などが特徴、九州地方では海産物や肉類、麦などが豊富です。
現代では、手軽に様々な食材が手に入りますが、昭和初期の人々は限られた食材を工夫しながら、季節感や行事を大切に食卓を囲んでいました。
その素朴だけど心温まる食生活は、現代の私たちに大切なヒントを与えてくれます。
・農林水産省「日本の食生活の歴史」
・国立公文書館「戦前の食生活」
・各地方自治体の食文化に関する情報