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しょうゆの種類と使い方
~味付けのきほんのさ・し・す・せ・そ~

2023/09/06

醤油

煮物などの味付けで基本として言われている言葉『さしすせそ』。
普段料理をしない人でもどこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか?
この『さしすせそ』はそれぞれ調味料を表しています。
「さ」は砂糖、「し」は塩、「す」は酢、「せ」はしょうゆ、「そ」は味噌になります。
ちなみに、「せ」がしょうゆの理由は、しょうゆが昔、『せうゆ』と書いていたからになります。
そして、この「さしすせそ」の順番に調味料をいれると味付けがうまくいくと言われています。

今回は、その四番めの『しょうゆ(醤油)』についてです。

醤油の歴史

現代では、醤油は世界中で広く使われる調味料の1つです。
発酵食品である醤油はその土地や製法によって味わいが異なります。
多くの種類があり、日本だけでなくアジア各地で親しまれています。

また、使用方法も様々で、料理の味付けに使う他、炒め物や焼き物の際にも活用されます。
さらに、醤油は保存性が高いため、昔から食材の腐敗防止にも重宝されてきました。
醤油は中国の「醬油(ジャンユウ)」に由来するとされ、奈良時代に中国から日本に伝わったと言われています。
当初は薬用として使われていたとされる醤油は、次第に料理にも取り入れられ、平安時代には一般的な調味料として広く普及しました。

江戸時代になると、その製法や技術は、当時の他の地域にも広く伝えられ、各地で醤油の生産が始まりました。
江戸(現在の東京)が日本の政治・経済の中心として栄え、多くの人々が移動しました。
その際に、和歌山県の醤油が千葉県など他の地域へと持ち込まれ、醤油の製法や文化が伝わったと考えられています。
千葉県は江戸に近い地域であり、交通の便も良かったことから、和歌山の醤油が広く受け入れられ、醤油文化が根付いたのです。
その後も、千葉県は醤油の生産地として発展し、多くの醤油メーカーや製造工場が設立されました。

特に、江戸時代の料理書には、さまざまな醤油の使い方や効能が詳細に記載されています。
醤油の原料となる大豆や小麦の栽培も進み、醸造業が発展し、料理に欠かせない調味料として重宝されました。
江戸時代の醤油の作り方はこのように手間がかかっており、多くの職人たちがその製造に携わっていました。


醤油醸造の準備:
・大豆を洗い、水に浸して柔らかくします。小麦も同様に準備します。
・大豆を蒸して煮熟し、小麦と混ぜ合わせます。これを麹と呼ばれる発酵のためのものにします。

発酵の進行:
・麹に塩を加え、発酵を進めます。麹には醸造酵母が含まれており、これによって糖質がアミノ酸に分解され、旨味成分が生成されます。
・発酵が進むにつれて、麹に含まれる酵素によって、大豆と小麦の成分が醤油の風味と色を生み出します。

醤油の仕上げ:
・発酵が十分に進んだら、醤油を絞り出します。醤油絞り機を使って大豆と小麦のかすを取り除き、液状の醤油を得ます。
・最終的に、清潔な容器に詰めて保存します。密封性のある容器を使用し、酸化を防ぎます。

醤油

醤油の種類

濃口醤油:
色が濃く、濃厚なコクと旨味があります。
主に炒め物や煮物などに使われ、しっかりとした味付けに適しています。

薄口醤油:
色が薄く、さっぱりとした味わいが特徴です。
主に鍋物や和え物、揚げ物などに使われます。

甘口醤油:
甘みが強く、子供や甘い味が好きな方に人気です。
主に焼き肉やなどに使われます。九州地方のお醤油になります。


濃口しょうゆと薄口しょうゆは、日本の醤油文化において重要な位置を占めています。
これらは、醤油の製法や使われる原料、発酵の工程などに違いがあり、異なる味わいや用途を持っています。

ちなみに、関西と関東が薄口しょうゆと濃口しょうゆを使い分ける理由には、歴史的・地理的な要因や料理の特性などが影響しています。

(1)地理的な要因

関西(主に近畿地方)と関東(主に関東地方)は日本の地理的に異なる地域であり、それぞれの地域の気候や風土によって醤油の製法や好みが異なると考えられています。
関西は比較的温暖な気候で、豊かな水と穏やかな風土が特徴です。
このような環境により、発酵が早く進みやすいため、醤油の発酵期間が短い薄口しょうゆ、一方、関東は季節の変化がはっきりとしており、冬は寒く夏は暑いといった気候が特徴です。
寒冷な気候により、発酵が遅くなりやすいため、醤油の発酵期間が長い濃口しょうゆが一般的になりました。

(2)歴史的な要因

関西と関東は、日本の歴史の中で独自の文化や料理が発展してきました。
その中で、醤油の製法や使い方も異なるスタイルが形成されてきたと考えられます。
関西料理は比較的シンプルで素材の味を生かす傾向があり、薄口しょうゆが料理に馴染みやすいとされています。
一方、関東料理は濃い味付けや深いコクを求める傾向があり、濃口しょうゆがよく使われます。

いろいろな醤油

まとめ

以上のような理由から、関西では薄口しょうゆが主に使われ、関東では濃口しょうゆが主に使われるとされています。
ただし、個々の家庭や料理人の好みや地域の特性によって、使われる醤油の種類や使い方は異なる場合もあります。
日本の食文化の豊かさを反映して、地域ごとに異なる風味を楽しむことができるのも醤油の魅力の一つです。




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