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酢の種類と使い方 ~味付けのきほんのさ・し・す・せ・そ~

2023/07/03

酢

煮物などの味付けで基本として言われている言葉『さしすせそ』。
普段料理をしない人でもどこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか?
この『さしすせそ』はそれぞれ調味料を表しています。
「さ」は砂糖、「し」は塩、「す」は酢、「せ」はしょうゆ、「そ」は味噌になります。
ちなみに、「せ」がしょうゆの理由は、しょうゆが昔、『せうゆ』と書いていたからになります。
そして、この「さしすせそ」の順番に調味料をいれると味付けがうまくいくと言われています。

今回は、その三番めの『す(酢)』についてです。


酢の歴史


現代では、酢は世界中でもっとも一般的な調味料の1つです。
発酵食品である酢はその気候によって味もさまざま。とても多くの種類があります。
また、使用方法もそのまま飲む以外にも漬物用に使ったり、調味料に使ったり多岐にわたります。
それ以外にも酢は食材の腐敗防止にも使用されるため、昔から保存面でも重要とされていました。

このような身近に使われている酢ですが、酢の起源ははっきりとはわかっていません。
日本最古の歴史書である「古事記」や「日本書紀」にも酢に関する記述があり、神話や伝説の中で言及されています。
平安時代になると、酢は広く一般の人々にも普及しました。
特に、米を原料とした米酢が重要な存在となりました。
当時、日本では米が主食であり、酢は調味料として多くの料理に使用されました。

江戸時代に入ると、酢の製法や利用方法がさらに発展しました。
特に、江戸時代の料理書や医学書には、さまざまな酢の使い方や効能が詳細に記載されています。
江戸時代中期には、醸造業が発展し、酢の生産が増加しました。
一般の家庭でも手作りの酢が作られ、料理や保存に広く活用されました。
江戸時代の酢の作り方はこのようにすごく手間がかかっています。

麹

1.酢桶の用意:
  ・大きな木製の桶(たる)を用意します。桶は木の種類や風合いによって香りや味に影響を与えるため、適切な桶を選びます。

2.もろみ(酢母)の作成:
  ・もろみは、米や米ぬか、水、発酵のための種(酵母)を組み合わせて作ります。
  ・米を炊き、蒸したりして糊化させ、桶に入れます。米ぬかを加えることもあります。
  ・その上に水を注ぎ、種(酵母)を加えます。種には、前回のもろみから取ったものや、麹(こうじ)などを使用することが一般的です。

3.発酵の進行:
  ・もろみを桶に入れ、上部を布や蓋で覆います。これにより、酢酸菌が酸素を必要とせずに発酵できます。
  ・桶を暗く、温度と湿度の管理された場所に置きます。酢酸菌が適切な環境下で発酵を進めるためです。
  ・発酵が進むにつれて、桶内に酢の香りが広がっていきます。発酵の進行具合は、香りや味を試飲して確認します。

4.酢の出来上がり:
  ・発酵が十分に進んだら、酢を桶から取り出します。これは通常、桶の底の穴に注ぎ口をつけ、下から酢を引き出す方法が用いられました。
  ・取り出した酢は、再度ろ過するなどの処理を行い、澄んだ状態にします。
  ・最終的に、清潔な瓶や容器に詰めて保存します。密封性のある容器を使用し、直射日光を避けるようにします。


酢の産地


日本国内で酢の生産が盛んな地域は愛知県や岡山県、和歌山県、三重県、長野県などが挙げられます。
これらの地域では、酢の製造や酢関連の産業が発展しており、多くの酢メーカーや酢の製造工場が存在しています。
お酢は発酵食品です。発酵食品はその土地の気候により味がまったく変わってくるので、その地域特有のお酢の魅力を発見して自分のお気に入りを見つけるのも良いですね!


酢の種類


りんご酢

1.米酢(こめず):
  主に日本料理で使用されるお酢で、米を原料としています。
  マイルドで穏やかな味わいが特徴です。

2.りんご酢(りんごず):
  りんごを原料として作られるお酢です。
  フルーティーな風味と酸味があり、サラダドレッシングや料理のアクセントとして利用されます。

3.ワイン酢(ワインず):
  ワインを原料として発酵させたお酢です。
  赤ワインや白ワインなど、様々な種類のワインを使用して作られます。風味豊かで深い味わいがあり、ソースやマリネなどによく使われます。

4.白酢(しろず):
  穀物やアルコールを原料として作られる透明なお酢です。
  酸味が強く、料理の酸味調整や清掃などに幅広く使われます。

5.黒酢(くろず):
  米や穀物を原料として発酵・熟成させたお酢で、主に中国料理で使用されます。
  濃厚な味わいとコクがあり、健康効果が期待されることもあります。

酢の豆知識


酢

1.酢の歴史:
  酢は非常に古い歴史を持つ食品です。
  紀元前5000年頃のバビロニアや古代エジプト、中国などでも既に製造されていました。

2.酢の語源:
  「酢」という言葉は、古代ローマの詩人プリニウスが使った「acetum」が語源です。
  ラテン語の「acetum」は「酸」を意味し、お酢の酸味に由来しています。

3.酢と防腐剤:
  酢には抗菌作用があり、食材の腐敗を防ぐ効果があります。
  そのため、かつては酢を食材の防腐剤として活用することが一般的でした。

4.酢と清掃:
  酢は洗剤としても使われます。
  キッチンや浴室の掃除において、酢の酸性が汚れを落とすのに役立つため、自然派の掃除方法としても人気です。




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