2023/03/24
鉄分は、健康維持にとって非常に重要な栄養素の1つです。
鉄分は、赤血球の主成分であるヘモグロビンの中に含まれており、酸素を運ぶために不可欠な役割を果たしています。
また、鉄分は、細胞の代謝にも重要な影響を与えます。
食品からの鉄分の摂取は、主にヘム鉄と非ヘム鉄の2つの形態に分類されます。
ヘム鉄は、動物性食品に多く含まれており、ヘモグロビンやミオグロビンなどのタンパク質に結合している鉄分です。
一方、非ヘム鉄は、植物性食品や鉄の添加された製品に多く含まれており、肉や魚に比べて吸収率が低くなる傾向があります。
鉄分の不足は、貧血の原因の1つです。
貧血は、体内に十分な酸素を運ぶことができないため、疲労やめまい、集中力の低下、免疫力の低下などの症状を引き起こします。
また、鉄分の不足は、成長期の子供や妊婦において、発育不良や流産の原因にもなります。
鉄分の過剰摂取は、鉄過剰症を引き起こすことがあります。
鉄過剰症は、体内に過剰な鉄分が蓄積される状態で、肝臓や膵臓などの臓器に障害を引き起こすことがあります。
したがって、適切な量を摂取することが重要です。
男性の場合、1日あたりの推奨量は8mg程度、女性の場合は18mg程度です。
妊婦や授乳中の女性など、特定の人々にはより多くの鉄分が必要な場合があります。
ヘム鉄と非ヘム鉄は、鉄分の種類による違いです。
ヘム鉄は、肉や魚、家禽、卵などの動物性食品に含まれる鉄分の形態で、ヘムというタンパク質と結合した形で存在します。
ヘム鉄は、非ヘム鉄に比べて吸収率が高く、体内に吸収された後、輸送や貯蔵にも適しているため、効率的に利用されます。
一方、非ヘム鉄は、肉以外の食品、つまり植物性食品に含まれる鉄分の形態で、ヘム鉄と比較して吸収率が低く、また輸送や貯蔵にも適さないため、体内での利用効率は劣ります。
しかし、野菜や穀物、豆類などにも含まれているため、バランスの良い食生活を送るためには、適度な摂取が必要です。
また、ヘム鉄は、鉄欠乏性貧血の治療にも有効とされています。
ただし、高脂肪の食品や加工肉に多く含まれるため、過剰に摂取すると健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、摂取量には注意が必要です。
鉄分が多く含まれている食品には、以下のようなものがあります。
赤身の肉(牛肉、豚肉、羊肉など)
魚介類(サバ、イワシ、貝類など)
豆類(大豆、小豆、レンズ豆など)
ひじき、昆布、わかめなどの海藻類
ほうれん草、小松菜、レバー、鶏肉などの緑黄色野菜や内臓
玄米、オートミール、全粒粉パンなどの全粒穀物製品
ただし、鉄分は非ヘム鉄とヘム鉄に分類され、ヘム鉄は非ヘム鉄に比べて吸収率が高いため、動物性食品からの摂取がより効率的です。
一方、植物性食品からの鉄分は、ビタミンCを一緒に摂ることで吸収率が高まるため、野菜や果物と一緒に摂ることがおすすめです。
また、カルシウムやカフェインは鉄分の吸収を妨げるため、同時に摂りすぎないように注意が必要です。