2022/07/23
滋賀県琵琶湖地域及び山梨県峡東地域が、国連食糧農業機関(FAO)により新たに世界農業遺産に認定されました。
世界農業遺産及び日本農業遺産は、社会や環境に適応しながら何世代にもわたり継承されてきた独自性のある伝統的な農林水産業と、
それに密接に関わって育まれた文化、ランドスケープ(土地の上に農林水産業の営みを展開し、それが呈する一つの地域的まとまり)及びシースケープ(里海であり、沿岸海域で行われる漁業や養殖業等によって形成されるもの)、農業生物多様性(食料及び農業と関わりのある生物多様性及び遺伝資源が豊富であること)などが相互に関連して一体となった、
将来に受け継がれるべき重要な農林水産業システムを認定する制度です。
では、その新たに認定された2つの地域について、どのような取り組みがされているのかをご紹介いたします。
伝統的な琵琶湖漁業が中心で、里湖(さとうみ)とも呼ばれる循環型システムになっています。
琵琶湖漁業はその周りにある水田と深い関わりがあります。
琵琶湖の固有種でもあるニゴロブナは通常、琵琶湖に生息していますが、産卵、生育時期には湖辺のヨシ帯や水路を通って水田までやってきます。
その習性を利用してニゴロブナを漁獲するエリ漁は1000年以上前から今日まで続く漁法です。
漁獲されたニゴロブナ等を使って作るふなずしは重要な保存食となり、このような食文化は現在にも受け継がれています。
峡東地域は、日本のブドウ栽培発祥の地とされ、ブドウ「甲州」は、平安時代にはすでに栽培されていたとも言われています。
扇状地の傾斜地において、土壌や地形、気象等に応じた、ブドウやモモなどの果樹の適地適作が古くから行われ、独自のブドウの棚式栽培が開発され、現在まで継承されています。
両地域とも伝統的な手法が現在に受け継がれて地元に根づいています。
手法が受け継がれるためには環境も同じように守られている必要があります。
このような伝統的な農林水産業を営む地域は、その自然も素晴らしいものが残っています。
出展:森・里・湖(うみ)に育まれる漁業と農業が織りなす琵琶湖システム
(https://www.maff.go.jp/j/nousin/kantai/giahs_3_191.html)
出展:盆地に適応した山梨の複合的果樹システム
(https://www.maff.go.jp/j/nousin/kantai/giahs_3_111.html)
出典:近畿農政局Webサイト
(https://www.maff.go.jp/kinki/use/link.html)