2022/07/19
日本では高齢化が進んでおり、2021年のデータでは65歳以上の人口は、3640万人と、前年(3618万人)に比べ22万人増加し、過去最多となりました。
総人口に占める割合は29.1%で過去最高になりました。
そして2040年には65歳以上の人口は3921万人で35.3%にまで増加すると予測されています。
このような高齢化社会が進んでいく中で高齢者は在宅、自分の地域で生活することが前提になります。
そうなると身の回りの世話は基本的に自分ですることになるのですが、高齢になると何かしらの問題で存分に食べることができなくなったり、健康でも食べる量は減ってきます。
その結果、自炊が面倒になったり、お一人の場合では自炊する方が高くつくということでコンビニ弁当や宅食の利用になってきますが、なぜかこればかりだと飽きてきてしまいます。
同じものが続くとどうしても食欲がわいてこず、食べる量がどんどん減ってきて、最終的には『食べる』という行動が楽しみではなく、栄養補給するためだけの作業になってしまい、食べることが苦痛となってしまいます。
本来、食べることは楽しいことなので、最後まで食べる楽しみを持ってもらいたいと考えています。
それには、食欲というのはとても大切なのですが、なぜその食欲がわかないのか?それはズバリ【香り】がないことが理由の1つではないでしょうか?
家でご飯を作っているとよくわかるのですが、食べる前に存分に調理中の素材の香りを嗅がされるわけです。
野菜、お肉、お魚など素材を煮る、焼く、炒める、煮る、揚げる、蒸すなど様々な調理法で調理をする。
例えば、焼くと、焦げた香ばしい香りがただよってきます。
調理法によって特徴的な香りがあり、この香りがするだけで食欲もわいてきます。
また、調理の際には調味料も使います。
この調味料と素材が合わさった時の香りは何とも言えないおいしそうな香りを醸し出しています。
高齢になっても嗅覚は衰えにくい器官なので、このような香りは大切な刺激になります。
調理をしないとこのような香りを漂わすことはむずかしいでしょうか。
いいえ、そんなことはないです。ポイントは温めること。
冷えたままだと香り立ちがないのですが、温めることで香り立ちが良くなり、その料理の素材や調味料の香りが漂ってきます。
ひと手間かかってしまうのですが、これをすることで料理としてのグレードが間違いなくワンランクアップします。
宅食など、冷えてしまったお食事は、そのまま食べるのではなく温めて香りを漂わせる、そしてトレーのままではなくちょっとお皿に持ったりすると見た目もよくなります。
少しだけ調理して香りが立つようなことをすると食欲をかき立てることができるのではないでしょうか?
『共食(きょうしょく)』も良いとされているので、誰かと一緒に食べるというのも良いですね。